electricalな、あまりにelectricalな

個人的に気になったバンド、楽曲などを紹介していく予定です。

ぼっち・ざ・ろっく!から八十八ヶ所巡礼を知った人に向けて本気出して紹介文書いてみた。

2022年冬アニメのダークホースとして確固たる人気をものにしている「ぼっち・ざ・ろっく!」

その中で酒カス酒豪キャラとして登場している廣井きくりと彼女が率いるバンドであるSICK HACKに元ネタがあるってご存知ですか?

その名は「八十八ヶ所巡礼」。

この駄文は、気づけば八十八ヶ所巡礼のファン歴が10年を越えていた中年筆者が「ぼっち・ざ・ろっく」から八十八ヶ所巡礼に興味を持った人向けに書いたバンド紹介記事になります。


これさえ読めばSICK HACKの元ネタ、八十八ヶ所巡礼がある程度わかる!ハズ!


…少し長いですがお付き合い下さい。

※内容によってはソース自体が既にないもの、筆者の主観や勘違いなども少なからず含みます。悪しからず。

目次

①八十八ヶ所巡礼ってどんなバンド?

八十八ヶ所巡礼の公式HPには以下のように記載されています。

うん、なんかよく分からんけどバンドだということだけは分かる。

記事開いたみなさん、安心して下さい。
ほとんどが意味があってないようなものなのであまり深く考える必要はありません。


バンド名は四国にある仏僧空海のゆかりの寺院を巡る、四国八十八箇所巡礼が元ネタで、八十八ヶ所巡礼の楽曲のタイトルにも「仏滅」「ohenro3(お遍路さん)」「極楽」などなど仏教用語を絡めたものが数多くあります。
(因みにバンド名、SICK HACKの元ネタは八十八ヶ所巡礼の楽曲、「苦苦✡️念仏」の歌詞、「四苦八苦以上の地獄♨️」から来ていると思われます)。

なんか思想強そうとっつきづらそう…と思った人もいるかもしれませんが先ほども言ったように深く考える必要はありません。
四国出身である廣井きくりの元ネタの人(後述)がアルファベットやカタカナの他バンド名の中で自分たちのバンド名が目立つようにとつけた事が発端となっています。

②メンバー紹介

マーガレット廣井(Ba.と歌と主犯格)
ぼっち・ざ・ろっくにおける廣井きくりの元ネタの人。愛媛県宇和島市出身。

廣井きくりのトレードマークである薄手のワンピース、スカジャン、長髪に三つ編みなどは2011年〜2016年ごろまでのステージ衣装や私服が元ネタとなっています。
ちなみにきくりのベース「スーパーウルトラ酒呑童子EX」と同型のベースは使用していませんが、2018年頃までは日本の楽器メーカー、アトランシア製の特注ベースを使用していました。特徴的なフォルムとマーガレット廣井による魔改造で(仏像の腕とかついてました)今なおファンに人気のあるベースとなっています。(MVにも登場していますので確認してみて下さい。現在は故障により別器を使用。)

廣井きくりを象徴するものとして「酒」は切っても切り離せないモノの一つですが、それは元ネタの人も同じ。仏教用語と同じぐらい酒関連のワードが歌詞に散りばめられており、彼が創る歌詞の世界観を物語る一因となっています。
ちなみに、マンガのキャラクターって元ネタである人物や事柄を誇張して描かれることが多いと思うんですが、先日放映された8話放映時には飲み仲間に、


「廣井はあんなに酒癖よくない」


とツイートされているのであっ…と察しておきましょう。

また、劇中できくりが行なっている一升瓶からのダイレクト呑みですが、こちらは実際にマーガレット廣井がパフォーマンスと水分補給を兼ねて行っている為、ライブでは頻繁に見る事ができます。


Katzuya Shimizu(Gt.と参謀と演技指導)
ぼっち・ざ・ろっくにおける清水イライザの元ネタの人。石川県金沢市出身。

ぼっち・ざ・ろっくではハーフ設定が付与されていますが元ネタの人は至って純日本人。
バンド活動のほか、コロイデア音楽塾というオンライン形式の音楽塾でギターの講師も行っています。

ライブ中は常に無表情。MC中は一切喋る事なく棒立ち。しかし曲が始まれば彼の足元に設置されたサーキュレーターで風を一身に浴びつつ、高速かつ精確無比なギダープレイを繰り出すギター速弾きマシン(マーガレット廣井談)と化します。

因みにきくりは飲んだくれてよく居酒屋にベースを置き忘れる、といったエピソードがありますがKatzuya Shimizuはギターをライブハウス前の路上や自宅前の駐車場に置き忘れたというエピソードがあります。
(なんなら地方公演への移動中にKatzuya Shimizu自身が高速のサービスエリアに置いて行かれたことさえあります。これを含めてマンガの元ネタかは分からないけれど…)


賢三(KENZOOOOOOOO)(Dr.と極道と含み笑い)
ぼっち・ざ・ろっくにおける岩下志麻の元ネタの人。愛媛県宇和島市出身。実家はミカン農家。

KENZOOOOOOOOに関しては名前自体に元ネタはなく公式紹介文にある(Dr.と極道と含み笑い)の「極道」の部分の一点突破。
(わからない人は岩下志麻で検索かけてそのサジェストから調べてみてね)

Oの数はアルバムの発売と連動しており作品を重ねるたびに増えています。

坊主に強面、上半身裸にニッカポッカという活動初期から変わらない衣装でステージに立ち続ける漢であり、KENZOOOOOOOOがステージに登場する度、「ケンゾォーッ!!」と男ファンたちが野太い声をあげるのがコロナ前までの通例となっていました。(早くまた叫びたいですね)

ぼっち・ざ・ろっくの岩下志麻も「志麻さまー!!」と女性客から黄色い声が上がるそうなので同性から歓声が挙がるという意味ではここが元ネタなのかもしれません。

パっと見、格好に統一感がなく組むバンド間違えたんじゃない?という3人ですが、この取り合わせがクセになる!それが楽曲を含め八十八ヶ所巡礼にしか出せない味になっています。

きらら読者的に言うと三者三葉と言うわけです。
ぐうちょきパレード、いい歌でしたよね。

③おすすめのアルバム

八十八ヶ所巡礼のフルアルバムは現在までに8作品が世に出ており、基本的に1作品8曲という縛りを設けています(最近はそうでもないですが)。
また、一部のカバー曲などを除きサブスクやダウンロード販売を行なっていない為、彼らの曲を聴くにはCDを購入する必要があります。

試しに買ってみたいけれど、全部買うには少しハードルが高い……という方に向けて初めて八十八ヶ所巡礼のCDを買うにあたってのオススメ3枚を紹介します。


八+八(2010)
八十八ヶ所巡礼初のフルアルバムとして発表された1作目。ぼっち・ざ・ろっくOPで廣井きくりが映るシーンの元ネタであり、バンドのエポック的な楽曲となっている「仏滅トリシュナー」が収録されています。
また、フルアルバム発売以前に発表しているCDからも厳選された8曲が追加収録されており、他作品よりも楽曲が多いのも嬉しい所。特にライブ本編ラストに必ず演奏される「具現化中」「日本」といった楽曲も収録されているのでライブに行ってみたい!と思った人にはマストの1枚です。


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攻撃的国民的音楽(2014)
2022年、閃光のハサウェイMADで一世を風靡したあの曲のバンド、[Alexandros]のVo.川上洋平さんもお気に入りと語った事のある1枚。
特にアルバムタイトルにもなっている「攻撃的国民的音楽」はライブでは定番となっている一曲でファンの中でも非常に人気の楽曲となっています。また、ぼっち・ざ・ろっくOPに映るサバ味噌缶はこの曲のMVにも登場します。

筆者的にはこのアルバムを機にバンド人気が高まっていった出世作でもあると思っているので是非聴いてもらいたい作品です。


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幻魔大祭(2021)
現行発売されているバンドの最新作。
酒呑みたちへの賛歌と言っても過言ではない「JOVE JOVE」、発表時にバンドの新境地と言われた「狂感できない」など、現行のライブで頻繁に演奏される楽曲が多数収録されています。
また2019年に恵比寿LIQUIDROOMにて行われたライブのDVDが同梱されているのでリアルSICK HACK…もとい八十八ヶ所巡礼がどんなバンドなのかを耳だけでなく目でも気軽に確認できる1枚です。


www.youtube.com

これらの作品以外にも良いアルバムが沢山ありますので、気に入れば一枚、また一枚と手にとってみてください。
※ちなみにここで紹介していないCDには一部公式通販サイトでしか手に入らないものもありますので購入する際には注意してください。

④もっと八十八ヶ所を知るには?

CDなどを購入しさらに興味を持ったら次のステージ。出来るところから試してみてはどうでしょうか?

Twitterをみてみよう。
八十八ヶ所巡礼は公式アカウントの他にマーガレット廣井、Katzuya Shimizuが Twitterアカウントを持っています。
マーガレット廣井のアル中アルアルシリーズや、富士山頂でギターを構えながらご来光をバックにポーズを決めるKatzuya Shimizuの写真は必見です。
しかしながら公式Twitterもメンバーもそれほどツイートが多い方ではないのでそこはご了承を。
twitter.com
twitter.com
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・ラジオを聴いてみよう。
八十八ヶ所巡礼はメディア露出がかなり少ないバンドなんですが、FM愛媛で毎週土曜深夜25時から放送中の「ガッツムネマソのマシンガンエチケット」に年1〜2度のペースでゲスト出演しています。
ゲスト回以外にも彼らの飲み仲間、仕事仲間でもあるMC3人から八十八ヶ所巡礼の動向などが時たま飛び出す事があるのでもっと彼らの人となりを知りたい!と思った人はradikoプレミアムなどに加入して拝聴してみて下さい。
(メインMCのガッツムネマソさんは八十八ヶ所巡礼を含むバンドグッズ制作を仕事にされているので八十八ヶ所巡礼の物販グッズがたくさん売れるとガッツさんも喜びます)。

マシンガンエチケット  |  FM愛媛 http://radiko.jp/share/?t=20221204010000&sid=JOEU-FM

・ライブに行ってみよう。
八十八ヶ所巡礼は年間を通して頻繁にライブを行っており、東名阪は勿論、ここ2〜3年は地方でのワンマン公演も増えてきました。
ライブハウスに行った事ない人には恐い所だ、行き慣れない自分が行ったら浮いちゃうんじゃないかな?なんて疑心暗鬼になってしまう人もいるかもしれませんが、八十八ヶ所巡礼のファンは格好にまとまりのないバンドメンバーと同じようにファン層すらまとまりの無いバンドです。女子高生もいれば白毛混じりの諸先輩方もいるという中々なカオスな空間です。
どんな人でも受け入れられる層の深さ、厚さが八十八ヶ所巡礼の強み!是非ライブに行ってみんなで盛り上がりましょう!!

ライブ情報はここから  |  http://88kasyo.com/live/

⑤いかがでしたか?(よく見るやつ)

マーガレット廣井はぼっち・ざ・ろっく以外にもヤングチャンピオンにて連載中の「OUT」というマンガに出てくる風間 美鈴というキャラの元ネタにもなっていたりもしますので気になる方はそちらもチェックしてみて下さい。

また、ぼっち・ざ・ろっくには結束バンドのメンバー名の元ネタであるアジアン・カンフー・ジェネレーションを含め、多数のバンドや楽曲、MVネタなどが存在します。それらの元ネタをさがしながらみてみるものアニメ、マンガをより楽しめるのではいでしょうか?

台湾バンドElephant Gym(大象體操)の洒脱さに没入するワタシ

今の寒い時期、ぐてぇ〜っと仕事に疲れて帰ってきた後、熱い風呂に入ってから布団に潜り込むのが好きで、ほどよく温まった身体と布団の温もりに包まれてまどろみながら音楽を聴いています。

そんな中、ふと台湾のバンドに焦点を当てて探したところ「コレは!」と言うものに出会ったのでご紹介。


一期一会、鉄は熱いうちに打て!



大象體操ElephantGym _ 月落moonset【Official Music Video】


Elephant Gymは台湾の南部、高雄市出身の3ピースバンド。
ジャンルとしてはマスロックに分類されていますが、昨今のバンドに倣い、一様に一ジャンルに問わられない作風が持ち味です。


台湾のバンドって一時期「台湾インディー」と言う名のムーブメントの元、それなりに日本でも紹介されたんですが、「台湾インディー」に括られるバンドは基本的に90年代末~00年代初頭のオルタナバンドに影響を受けたバンド(ナンバガSUPERCAR、欧米で言うとSonic youthなど)が多くいて、上記バンドの持つ"清涼感"、"浮遊感"が好きな人には刺さりまくるメッカみたいな国なんですよ。


Elephant Gymはその中でも、どちらかと言うと清涼感より浮遊感を重視したバンド。
変則的にうねるベースラインに手数の多いのドラムが巧く絡み、そこにジャキジャキと耳触りの良いギターの音ががそれはそれは心地の良い。そして何と言ってもオシャレ♬
曲によってはそのまま心地よく眠り埋没していけること請け合いです。



Elephant Gym - Finger | Audiotree Live

元々はインストを主体としたバンドですが昨今はゲストボーカルを招くなどして曲を発表しており、そのボーカルによって全く作風が異なるもの彼らの作曲能力の高さが伺えます。


昨年はアメリカ公演、つい先日は日本でのワンマンを行い、東名阪3公演をsold outと紹介せずとも売れっ子な彼ら。
惜しむべくは、この後半年間の充電期間に入るとの事で、知るタイミングを逃したこと。
いやはや自分を悔やむばかり。



大象體操ElephantGym _ 半個Half【Official Music Video】


実は来月台湾に遊びに行く予定だったので、九份などの有名どころの観光地を周らずに現地のCDショップを回る予定に急遽変更。せっかくの海外なのにやってる事が日本にいる時と変わらないような気もしますが、好きなバンドのCDを現地で探すってのもそれはそれでオツなのでは?

2020年最初から良いバンドに巡り合えたので幸先の良いスタートを切れました!
今年も心に刺さる音楽に多く出会える年にしたいものです。


Underwater

Underwater

  • 大象體操
  • ロック
  • ¥1222

ライブの良さを再発見、"AHA"と共にMONO NO AWARE live Report 23/3/19

本当は昨年の行ったワンマンが見たかったのだけれど、ヒラの地方サラリーマンには平日開催は参戦難しく断念。

しかし、その公演を腕を振りまくりって楽しんだとされるThis is 向井秀徳氏のお陰で実現した土曜日の対バンという事で、氏には感謝をしきれない。


開演時間17:00きっかりに暗転、軽快なS.E.の中メンバーが登場。

楽器を構えた彼らから一音ずつ楽器が鳴らされていき、何処か哀愁漂うサウンドが組み立てられて、"me to me"が始まった。

MONO NO AWARE - me to me(MV)



歌詞はコミカルだが、言葉遊びの延長線上にある面白さ。言葉でインパクトで笑わせるのではなく、文学的な上手さが光る。

それをVo.玉置周啓の朴訥とした歌声で歌われるのだから完全にノックアウト。シビレない訳がない。
全員でのコーラスワークも上手く音量が調節されていて、とても美しい。


"マンマミーヤ"、"轟々雷音"など曲は続くが、どの曲もスタジオ音源にはない一曲一曲の”入り”がちゃんと決められていて、バンドとしての拘りが感じられる。


特に良いな、と思わせられたのは"窓"から"夢の中で"の一連の流れ。
"窓"はスタジオ音源とは異なり、サビをコーラスにする事により、歌モノという枠から離れてインストに近かったが、元々セッション曲しての色合いの強い2曲の為、即興感溢れててとても心地よい。
空間系のエフェクトのギターの音色がどこか四人囃子を連想させた。
("泳ぐなネッシー"などの浮遊感・清涼感あふれる感じ)


照明の演出もgood。O-EAST、良い仕事をしてるぞ!


向井秀徳氏が腕を振り回して楽しんだとされる"Tokyo"を挟みラスト、"イワンコッチャナイ"ではお馴染みのスキャットマン・リスペクトを交えて更にポップとなり、観客を自然と笑顔にさせていた。

りんご音楽祭 × lute:MONO NO AWARE「イワンコッチャナイ」


約40分程の演奏ではあったものの、初めて生で見たMONO NO AWAREはスタジオ音源の良さとはまた違うライブの良さを再び教えてくれる素晴らしいバンドだった。

コレに気付かせてくれたのも、ある意味彼らが昨年発表したアルバムでバンドが表現していたAHA体験なのだろう。


4月には最新の楽曲"A・I・A・O・U"の配信やアジカンとの共演なども決定している彼らからまだまだ目が離せない。
This is 向井秀徳氏と共に腕を振りまくって応援したいバンドだ。

SET LIST

me to me
マンマミーヤ
轟々雷音

夢の中で
Tokyo
イワンコッチャナイ

AHA

AHA

  • MONO NO AWARE
  • ロック
  • ¥1800

今、分かり易いロックアイコンが必要だ……名古屋の暴れ馬ビレッジマンズストア

ジャンルレス化がどんどん進み、何がロックで何がロックでないかなどと言う言葉さえも、最早陳腐なものになってしまっている。

MUSEやアクモンの新譜聴いてたらそれを如実に感じるようになってしまった。
アレはロックなのか?そもそもロックとは何なのか?オルタナティブってロックなのか?中年になっても自問自答の日々である。

Arctic Monkeys - Four Out Of Five (Official Video)


今回紹介するバンドのVo.なんかには「お前らの心に響くモノがロックなんだ!」とか叫ばれてしまいそうなのだけれど、その言葉や楽曲を響かせるには基礎というか基準となるモノが必要で、そこから聴き手が取捨選択していく必要があるのではないかなと思っている。


そんなワケで今個人的に"分かりやすい"ロックを響かせてくれているバンド、ビレッジマンズストアを紹介してみたい。
別名"名古屋の暴れ馬"。

ビレッジマンズストア「サーチライト」 (Official Music Video)
10代はまず、この別名に弱い。中学〜高校ぐらいの子たちには「地名+イカつい言葉=カッコイイ!」という数式はマストだ。
そーでもないぞオッサン、という声も有るだろうけど思い出して欲しい。誰のノートの隅にも人には見せられない短絡的に書き殴った異名やアダ名があるはずた。この別名、いや異名、いや、二つ名は何処かの少年誌のヤンキーマンガにいる。多分タ腕輪とかピアスとかジャラジャラつけてるマガジン系だ。登場シーンには「!?」がつくぞ。


更に、バンドとしてのビジュアル。全員黒シャツに白のネクタイ、赤のスーツに身を包み、ヴォーカルはファーみたいなものを振り回している。(アレ、マラボーっていうらしいです。ファーと何が違うんでしょうね?)

一人ひとりの個性を大事にしようという事で、今やランドセルは赤と黒の他、何色かと瞬時に判断しきれないような色まである現代において視覚的にここ迄分かりやすく衣装の同一性を出してくるバンドは昨今珍しい。

それに加えて前のめり気味のツインギターが炸裂する歌謡ロックとVo.水野ギイのハスキー気味な声。J-POPからJ-ROCKを聞いてみようかな、と思う多感な時期には丁度良い具合にロックで、聴きやすい程度にポップ。

ビレッジマンズストア LIVE DVD「正しい夜遊び」ダイジェスト

しかしながら、このバンドの一番の売りはステージパフォーマンス。
昨年のムロフェスでのステージを観たが、兎に角オーディエンスを盛り上げるのが上手い。あれほど手拍子を無理なく効果的に使うバンドは見たことがなかった。
熱くてダサいMCも、様になっていて滅茶苦茶カッコいい。心と体が完全に彼らに乗せられてしまい、ステージの終盤には自分も含めサブステージ全体が踊り狂っていた。


ビレッジマンズストア「アディー・ハディー」(Official Music Video)
収まり心地が良い、と言えば悪口になるかもしれないけれど、中高生の音楽番組ステータスとも呼ばれるMステに呼んでも、往年のディルアングレイ程引かれることはないだろう。PTA対策も万全のビレッジマンズストア、おススメです。

YOURS

YOURS

  • ビレッジマンズストア
  • ロック
  • ¥2000

大雨にも負けない名演を目撃した……Greta Van Fleet @ TheAnthem in WashingtonD.C. 21/7/18 Report

初海外でのライブ参戦という事で色々勝手が分からず、早目に会場に到着したものの、当日現地は大雨。


こんな事もあろうかと日本から持参した折りたたみ傘がかなり役にたった。
後ろに並んでいる大柄の男2人組みは雨の中傘もささなかったせいか、非公式のバントTシャツから履いているジーンズの裾までを雨でぐっしょりとさせながらまだかまだかと大声で叫んでいる。


あぁ、外国っぽい。そう思いながらオープニング・アクトを挟み現地時間21:14、客電が落ちる。SEなど流さずバンドメンバーがステージに駆け込んでくるや否や、爆発音のような歓声が上がった。

おぉ!外国っぽい!と、この時海外にいるんだな、と再認識させられた。


Twitterにて新曲のカウントダウン用に使用された白いバラを客席に投げ込んだ後、それぞれの立ち位置についた彼らの下から、ファンには聴き慣れたイントロが聴こえてくる。何度もiTunesYouTubeのLive映像で予習していたので曲はすぐ分かった。"Highway tune"だ!それがわかると同時に他のファンの歓声のボルテージももう1段階あがったのが分かった。


Greta Van Fleet - Highway Tune - Live - House of Blues - Dallas TX - 5-2-18


正直ところ、Greta Van Fleetの公演を訪れるにあたって、個人的に不安視していた部分があった。それは今年の初春から始まった長期のツアー(アメリカ国内に止まらず世界各地を回るツアーが晩秋まで続く予定である)によってメンバーのコンディションが良く無いのではないか……というものである。

しかし、それは杞憂に終わった。

熱量が凄いのだ。コレは若さと言っても過言じゃないだろう。一曲目のイントロからVo.Josh Kiszkaのハイトーン・ボイスまでを含めて既に120%!"疲れを知らない"とはこういう事か、と思わせるライブは今まで見た事がなかった。


特にDr.Danny Wagnerの迫力あるドラミングは迫力満点!日本ではVo.Gt.Ba.三兄弟バンドという話題性から下手をすると名前すら取り上げてもらえない影の薄いイメージがある中、それを払拭させる熱の入ったプレイには目を見張る所があった。

Gt.Jake Kiszkaのギターソロ(聴き慣れたフレーズも出てきて70's Hard Rockファンには確実に刺さるハズ)が冴え渡る"Edge Of Darkness"や先日配信されたばかりの新曲"When the curtain fall"を挟み、Joshが「This song is my favorite……」と言って"Flower Power"のイントロが流れ始める。


Greta Van Fleet - Flower Power | Live From Lincoln Hall

この時のベースをキーボードに持ち替えたキスカ兄弟三男、Sam Kiszkaの色気に触れておかなければならない。
記憶によればまだ20歳にもなっていなかった筈だが、そんなことを考えさせない情感たっぷりの演奏に、客席下手からは「SAM,I LOVE YOU!!!」と多数の黄色い声が上がった。


しかし、個人的に1番の見所だったのは本編ラストで演奏された"Lover Leaver Taker Believer"だ。
未発表曲ながら昨年から演奏されている楽曲で、その演奏回数が増す毎にその曲の構成が変わっていく所がLed zeppelinの"幻惑されて"を連想させる大作である。

Greta Van Fleet - Lover Leaver Taker Believer - Live at Coachella 2018 Weekend 1
途中カバー曲などを挟みつつも、決して飽きさせる事のないプレイをステージで奏で続ける彼等は、決して若さだけを武器に、アイドル性を売り物としたバンドではなく、正統にBluesとHard Rock を体現しているバンドだと確信できた。


本編終了後、観客達がアンコールを呼びかける鳴り止まない声援と共にスマホのライトを利用して気分を盛り上げあっている。暗闇に光る無数の星の様に美しく見えた。


アンコールは人気曲の"Black smoke rising"と"Safari song"。
会場が一体となって曲をJoshと一緒に歌いあげる。それは最早、日本における「お前の声を聞きにきたんじゃない、黙れ!」と言う常識とか認識とか、そう行ったものの範疇を飛び越えたものになっていて、観客の声をも含めて楽曲が完成していた。

(ライブで歌いたい方は海外公演がオススメです。一体感と高揚感一緒に味わえますよ)

楽曲数は12曲と少なめながら、トータルで1時間半の演奏は、初の海外公演の参戦を満足させるものでした。


デビューたった1年という事が信じられない程の圧巻のライブパフォーマンスはTheAnthem(キャパシティ約6000名)をsold outさせるに十分納得のいくモノだと思います。

8月サマソニ参戦の皆様、彼らのステージは期待を裏切りません!是非参戦してあの熱量を味わって見てください!



追記(8/3):Greta Van Fleet来日公演キャンセルという事を今日知り、ショックを隠せません。
こうなれば、次はワンマンを!と祈らざるを得ないのがファン心。

頼むぞイベンター!頼むぞGRETA VAN FLEET!(結局人任せ)

怪しさ満点A=432hz信仰?いなたい夫婦バンドDream Machineに想いを馳せる。

かれこれ20年近くロックンロールと言うものを聴きながら育ってはいるものの、音楽の専門用語や演奏技法などが全く分からないままオッサンになってしまった。


裏拍?8/5拍子?リバーブにピックアップにハムバッキング・ノイズが云々と………
わからん、わからんぞ!けど、なんか語感がカッコいいから分からんけど知ってるフリして乗り切ろう!


そんな感じで早10数年間、難しい音楽用語は調べても良くわかんないから調べる事もせず、学生の頃は知ったか口にしていた黒歴史


そんな中、Bandcampで中々のセールスを誇っているDreamMachineがまだよく分からない音楽用語を信奉していたので調べてみた。


Dream Machine - "I Walked In The Fire"
DreamMachineはMatthew Melton(Vo/Gt)とその妻であるDoris Melton(Vo/key)を中心に17年に結成したバンド。

夫のMatthew MeltonはBare WiresやWarm Sodaなどと言った日本ではほぼ無名だけど、アメリカではそれなりの認知度があるパワーポップ・バンドのフロントマンだったらしい。

Dream Machine - "Run of the Mill"
しかし、DreamMachineは全くもってパワーポップ感など感じさせないビックリする程の60's〜70'sオールドロックを世襲。嫁の趣味なのか元々の自分の趣味なのか分からないがDoors、Allman Brothers Band、初期Black Sabathをごちゃ混ぜにした様なサウンドは、そこら辺が気になる方にはピタッとハマるはず。


そんな中で彼らのHPに、"A=432hz"と言う見たことのない単語が頻繁に出でくる。

どうやら、周波数を表す言葉らしい。チューニングで鳴らす音を変えるそうなんだが、読んでも分からんからパス。(比較動画も見たけど、自分の耳ではよくわからないです)

A=432hz vs A=440hz Tuning Comparison Test

このA=432hzの面白いところは技術的な所よりも色々考察文献などを見てみるに、オカルトちっくな話がチラホラて出来て怪しさ満点な所。

ナチスドイツが洗脳の為に現在主流となっているA=440hzを使用した!それは日本を堕落させる為に戦後アメリカが利用している!!全てはロストチャイルドの陰謀だ!的な話まで飛び出し、音楽用語と言うよりムー的なオカルト用語と思っておいて良いみたい。

そんな少しオカルト夫婦が奏でるオールド・ロック(Matthewの目つきのヤバさは近寄るより遠目で見ておきたいタイプ)と言う部分において、ある意味イロモノっぽさも多少あるものの、そこを逆に楽しんで聴くと良いかもしれない。ムーをお供に読むと更に怪しさに浸れるかも可能性大。もしかしたらオカルトから帰ってこれない可能性もあるので用法容量を適切に自己責任の上、拝聴を。

寒さと八十八ヶ所巡礼の変化と自信に震えた大名古屋ナイト……live report 07/04/18

約一年振りの大須ell FITSALLの公演に赴いたワタクシ。

一年前行った時には大好きな四人囃子のカバーとか演っていたりして個人的にはとても感慨深いライブになっていたので、今回も同様の感動を期待しつつ中央上手寄りへ陣取り。

 

18:15を過ぎた頃客電が落ち、お馴染みとなったサックスが流れ出す。

 

ellはステージの高さ、幅と奥行きが丁度良い。

順々にステージへと登場するメンバーの顔、一人ひとりがよく見える。

中央も少し小上がりのようになっているので場所によってはライトの加減で見えずらいKENZOOOOOOの顔もしっかり見ることが出来るのも良いポイントだ。

 

そんなことを考えていると、最後に登場したマーガレットがベースを豪快にかき鳴らす。それに呼応したギターマシーン、Katsuya Shimizuが遮断機の警告音をつま弾きだ始める。

 

”幽楽町線”から大名古屋ナイトはスタートだ。

 

続けて”愚痴×愚痴×悪魔”、”銀河の恥”、”IMNY”などのぱっと見、曲名なのかどうかも分かりにくい彼ら独自の楽曲たちで自分たちの世界観を彩っていく。

 

彼らの楽曲は1stの頃から良い意味で変わらない。

変則的で、変態的で、コミカルだけれどそれを笑いだけにしない熱さがある。

 

しかし、ここ1~2年でステージ上のパフォーマンスは大きく変わった。

MC量がぐっと増え、メンバーの素が垣間見えるようになった気がする。

 

”SYG88”の各自ソロ内でのお遊び(何をやっていたかは何となく伏せます)や、最早お決まりとなった”悪闇霧島”内でのウオール・オブ・シミズ(客席を練り歩きながらの高速Gituar Solo)時にふと見たマーガレットの楽しそうにベースを弾く姿は数年前彼らを初めて観た時とは大違いだ。(ホント良い笑顔で弾いてました)

 

けれど、それは彼らの自信の表れではないかと思う。

勿論、昔のギラギラしたストイックなライブも彼らの今を形作る上で大切なモノだったけれど、色々なバンドとの対バンを通して新しい八十八ヶ所巡礼を作り上げていっているように感じた。

 

しかし、芯は一本通っている。

 

MCでマーガレットが言う。

「好きな事をさせてくれている親の為にも親を裏切らない(売り専や業界に媚びない)音楽をコレからもやっていく」

 

と言う言葉が心に響いた。

年甲斐もなく「いいぞ!」と叫んでしまった。

 

変わらない部分も変わっていく部分も含めて八十八ヶ所巡礼なのだと改めて思わせてくれるMCだった。

 

続く後半戦は“ohenro3”、“霊界ヌ〜ボ〜”、“攻撃的国民的音楽”などと言った楽曲で客を煽りにかかる。

後半になるにつれ客席のボルテージの上がり具合も最高潮となり、それはやはり”具現化中”~”日本”の流れで一つのうねりとなった。

 

最高のバンドを観るっていうのはこういう事なんだろうなぁと思わせてくれる八十八ヶ所巡礼というバンドを何度も見たいと思わせてくれるライブでした。

 

次の名古屋公演は7/7の同じell FITSALL。必ず行こうと思います。

 

この公演にかかわらず、八十八ヶ所は比較的土曜日の公演が多いので地方にお住まいの方も、思い切って足を伸ばしてみてください。

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