electricalな、あまりにelectricalな

個人的に気になったバンド、楽曲などを紹介していく予定です。

今、分かり易いロックアイコンが必要だ……名古屋の暴れ馬ビレッジマンズストア

ジャンルレス化がどんどん進み、何がロックで何がロックでないかなどと言う言葉さえも、最早陳腐なものになってしまっている。

MUSEやアクモンの新譜聴いてたらそれを如実に感じるようになってしまった。
アレはロックなのか?そもそもロックとは何なのか?オルタナティブってロックなのか?中年になっても自問自答の日々である。

Arctic Monkeys - Four Out Of Five (Official Video)


今回紹介するバンドのVo.なんかには「お前らの心に響くモノがロックなんだ!」とか叫ばれてしまいそうなのだけれど、その言葉や楽曲を響かせるには基礎というか基準となるモノが必要で、そこから聴き手が取捨選択していく必要があるのではないかなと思っている。


そんなワケで今個人的に"分かりやすい"ロックを響かせてくれているバンド、ビレッジマンズストアを紹介してみたい。
別名"名古屋の暴れ馬"。

ビレッジマンズストア「サーチライト」 (Official Music Video)
10代はまず、この別名に弱い。中学〜高校ぐらいの子たちには「地名+イカつい言葉=カッコイイ!」という数式はマストだ。
そーでもないぞオッサン、という声も有るだろうけど思い出して欲しい。誰のノートの隅にも人には見せられない短絡的に書き殴った異名やアダ名があるはずた。この別名、いや異名、いや、二つ名は何処かの少年誌のヤンキーマンガにいる。多分タ腕輪とかピアスとかジャラジャラつけてるマガジン系だ。登場シーンには「!?」がつくぞ。


更に、バンドとしてのビジュアル。全員黒シャツに白のネクタイ、赤のスーツに身を包み、ヴォーカルはファーみたいなものを振り回している。(アレ、マラボーっていうらしいです。ファーと何が違うんでしょうね?)

一人ひとりの個性を大事にしようという事で、今やランドセルは赤と黒の他、何色かと瞬時に判断しきれないような色まである現代において視覚的にここ迄分かりやすく衣装の同一性を出してくるバンドは昨今珍しい。

それに加えて前のめり気味のツインギターが炸裂する歌謡ロックとVo.水野ギイのハスキー気味な声。J-POPからJ-ROCKを聞いてみようかな、と思う多感な時期には丁度良い具合にロックで、聴きやすい程度にポップ。

ビレッジマンズストア LIVE DVD「正しい夜遊び」ダイジェスト

しかしながら、このバンドの一番の売りはステージパフォーマンス。
昨年のムロフェスでのステージを観たが、兎に角オーディエンスを盛り上げるのが上手い。あれほど手拍子を無理なく効果的に使うバンドは見たことがなかった。
熱くてダサいMCも、様になっていて滅茶苦茶カッコいい。心と体が完全に彼らに乗せられてしまい、ステージの終盤には自分も含めサブステージ全体が踊り狂っていた。


ビレッジマンズストア「アディー・ハディー」(Official Music Video)
収まり心地が良い、と言えば悪口になるかもしれないけれど、中高生の音楽番組ステータスとも呼ばれるMステに呼んでも、往年のディルアングレイ程引かれることはないだろう。PTA対策も万全のビレッジマンズストア、おススメです。

YOURS

YOURS

  • ビレッジマンズストア
  • ロック
  • ¥2000

大雨にも負けない名演を目撃した……Greta Van Fleet @ TheAnthem in WashingtonD.C. 21/7/18 Report

初海外でのライブ参戦という事で色々勝手が分からず、早目に会場に到着したものの、当日現地は大雨。


こんな事もあろうかと日本から持参した折りたたみ傘がかなり役にたった。
後ろに並んでいる大柄の男2人組みは雨の中傘もささなかったせいか、非公式のバントTシャツから履いているジーンズの裾までを雨でぐっしょりとさせながらまだかまだかと大声で叫んでいる。


あぁ、外国っぽい。そう思いながらオープニング・アクトを挟み現地時間21:14、客電が落ちる。SEなど流さずバンドメンバーがステージに駆け込んでくるや否や、爆発音のような歓声が上がった。

おぉ!外国っぽい!と、この時海外にいるんだな、と再認識させられた。


Twitterにて新曲のカウントダウン用に使用された白いバラを客席に投げ込んだ後、それぞれの立ち位置についた彼らの下から、ファンには聴き慣れたイントロが聴こえてくる。何度もiTunesYouTubeのLive映像で予習していたので曲はすぐ分かった。"Highway tune"だ!それがわかると同時に他のファンの歓声のボルテージももう1段階あがったのが分かった。


Greta Van Fleet - Highway Tune - Live - House of Blues - Dallas TX - 5-2-18


正直ところ、Greta Van Fleetの公演を訪れるにあたって、個人的に不安視していた部分があった。それは今年の初春から始まった長期のツアー(アメリカ国内に止まらず世界各地を回るツアーが晩秋まで続く予定である)によってメンバーのコンディションが良く無いのではないか……というものである。

しかし、それは杞憂に終わった。

熱量が凄いのだ。コレは若さと言っても過言じゃないだろう。一曲目のイントロからVo.Josh Kiszkaのハイトーン・ボイスまでを含めて既に120%!"疲れを知らない"とはこういう事か、と思わせるライブは今まで見た事がなかった。


特にDr.Danny Wagnerの迫力あるドラミングは迫力満点!日本ではVo.Gt.Ba.三兄弟バンドという話題性から下手をすると名前すら取り上げてもらえない影の薄いイメージがある中、それを払拭させる熱の入ったプレイには目を見張る所があった。

Gt.Jake Kiszkaのギターソロ(聴き慣れたフレーズも出てきて70's Hard Rockファンには確実に刺さるハズ)が冴え渡る"Edge Of Darkness"や先日配信されたばかりの新曲"When the curtain fall"を挟み、Joshが「This song is my favorite……」と言って"Flower Power"のイントロが流れ始める。


Greta Van Fleet - Flower Power | Live From Lincoln Hall

この時のベースをキーボードに持ち替えたキスカ兄弟三男、Sam Kiszkaの色気に触れておかなければならない。
記憶によればまだ20歳にもなっていなかった筈だが、そんなことを考えさせない情感たっぷりの演奏に、客席下手からは「SAM,I LOVE YOU!!!」と多数の黄色い声が上がった。


しかし、個人的に1番の見所だったのは本編ラストで演奏された"Lover Leaver Taker Believer"だ。
未発表曲ながら昨年から演奏されている楽曲で、その演奏回数が増す毎にその曲の構成が変わっていく所がLed zeppelinの"幻惑されて"を連想させる大作である。

Greta Van Fleet - Lover Leaver Taker Believer - Live at Coachella 2018 Weekend 1
途中カバー曲などを挟みつつも、決して飽きさせる事のないプレイをステージで奏で続ける彼等は、決して若さだけを武器に、アイドル性を売り物としたバンドではなく、正統にBluesとHard Rock を体現しているバンドだと確信できた。


本編終了後、観客達がアンコールを呼びかける鳴り止まない声援と共にスマホのライトを利用して気分を盛り上げあっている。暗闇に光る無数の星の様に美しく見えた。


アンコールは人気曲の"Black smoke rising"と"Safari song"。
会場が一体となって曲をJoshと一緒に歌いあげる。それは最早、日本における「お前の声を聞きにきたんじゃない、黙れ!」と言う常識とか認識とか、そう行ったものの範疇を飛び越えたものになっていて、観客の声をも含めて楽曲が完成していた。

(ライブで歌いたい方は海外公演がオススメです。一体感と高揚感一緒に味わえますよ)

楽曲数は12曲と少なめながら、トータルで1時間半の演奏は、初の海外公演の参戦を満足させるものでした。


デビューたった1年という事が信じられない程の圧巻のライブパフォーマンスはTheAnthem(キャパシティ約6000名)をsold outさせるに十分納得のいくモノだと思います。

8月サマソニ参戦の皆様、彼らのステージは期待を裏切りません!是非参戦してあの熱量を味わって見てください!



追記(8/3):Greta Van Fleet来日公演キャンセルという事を今日知り、ショックを隠せません。
こうなれば、次はワンマンを!と祈らざるを得ないのがファン心。

頼むぞイベンター!頼むぞGRETA VAN FLEET!(結局人任せ)

怪しさ満点A=432hz信仰?いなたい夫婦バンドDream Machineに想いを馳せる。

かれこれ20年近くロックンロールと言うものを聴きながら育ってはいるものの、音楽の専門用語や演奏技法などが全く分からないままオッサンになってしまった。


裏拍?8/5拍子?リバーブにピックアップにハムバッキング・ノイズが云々と………
わからん、わからんぞ!けど、なんか語感がカッコいいから分からんけど知ってるフリして乗り切ろう!


そんな感じで早10数年間、難しい音楽用語は調べても良くわかんないから調べる事もせず、学生の頃は知ったか口にしていた黒歴史


そんな中、Bandcampで中々のセールスを誇っているDreamMachineがまだよく分からない音楽用語を信奉していたので調べてみた。


Dream Machine - "I Walked In The Fire"
DreamMachineはMatthew Melton(Vo/Gt)とその妻であるDoris Melton(Vo/key)を中心に17年に結成したバンド。

夫のMatthew MeltonはBare WiresやWarm Sodaなどと言った日本ではほぼ無名だけど、アメリカではそれなりの認知度があるパワーポップ・バンドのフロントマンだったらしい。

Dream Machine - "Run of the Mill"
しかし、DreamMachineは全くもってパワーポップ感など感じさせないビックリする程の60's〜70'sオールドロックを世襲。嫁の趣味なのか元々の自分の趣味なのか分からないがDoors、Allman Brothers Band、初期Black Sabathをごちゃ混ぜにした様なサウンドは、そこら辺が気になる方にはピタッとハマるはず。


そんな中で彼らのHPに、"A=432hz"と言う見たことのない単語が頻繁に出でくる。

どうやら、周波数を表す言葉らしい。チューニングで鳴らす音を変えるそうなんだが、読んでも分からんからパス。(比較動画も見たけど、自分の耳ではよくわからないです)

A=432hz vs A=440hz Tuning Comparison Test

このA=432hzの面白いところは技術的な所よりも色々考察文献などを見てみるに、オカルトちっくな話がチラホラて出来て怪しさ満点な所。

ナチスドイツが洗脳の為に現在主流となっているA=440hzを使用した!それは日本を堕落させる為に戦後アメリカが利用している!!全てはロストチャイルドの陰謀だ!的な話まで飛び出し、音楽用語と言うよりムー的なオカルト用語と思っておいて良いみたい。

そんな少しオカルト夫婦が奏でるオールド・ロック(Matthewの目つきのヤバさは近寄るより遠目で見ておきたいタイプ)と言う部分において、ある意味イロモノっぽさも多少あるものの、そこを逆に楽しんで聴くと良いかもしれない。ムーをお供に読むと更に怪しさに浸れるかも可能性大。もしかしたらオカルトから帰ってこれない可能性もあるので用法容量を適切に自己責任の上、拝聴を。

寒さと八十八ヶ所巡礼の変化と自信に震えた大名古屋ナイト……live report 07/04/18

約一年振りの大須ell FITSALLの公演に赴いたワタクシ。

一年前行った時には大好きな四人囃子のカバーとか演っていたりして個人的にはとても感慨深いライブになっていたので、今回も同様の感動を期待しつつ中央上手寄りへ陣取り。

 

18:15を過ぎた頃客電が落ち、お馴染みとなったサックスが流れ出す。

 

ellはステージの高さ、幅と奥行きが丁度良い。

順々にステージへと登場するメンバーの顔、一人ひとりがよく見える。

中央も少し小上がりのようになっているので場所によってはライトの加減で見えずらいKENZOOOOOOの顔もしっかり見ることが出来るのも良いポイントだ。

 

そんなことを考えていると、最後に登場したマーガレットがベースを豪快にかき鳴らす。それに呼応したギターマシーン、Katsuya Shimizuが遮断機の警告音をつま弾きだ始める。

 

”幽楽町線”から大名古屋ナイトはスタートだ。

 

続けて”愚痴×愚痴×悪魔”、”銀河の恥”、”IMNY”などのぱっと見、曲名なのかどうかも分かりにくい彼ら独自の楽曲たちで自分たちの世界観を彩っていく。

 

彼らの楽曲は1stの頃から良い意味で変わらない。

変則的で、変態的で、コミカルだけれどそれを笑いだけにしない熱さがある。

 

しかし、ここ1~2年でステージ上のパフォーマンスは大きく変わった。

MC量がぐっと増え、メンバーの素が垣間見えるようになった気がする。

 

”SYG88”の各自ソロ内でのお遊び(何をやっていたかは何となく伏せます)や、最早お決まりとなった”悪闇霧島”内でのウオール・オブ・シミズ(客席を練り歩きながらの高速Gituar Solo)時にふと見たマーガレットの楽しそうにベースを弾く姿は数年前彼らを初めて観た時とは大違いだ。(ホント良い笑顔で弾いてました)

 

けれど、それは彼らの自信の表れではないかと思う。

勿論、昔のギラギラしたストイックなライブも彼らの今を形作る上で大切なモノだったけれど、色々なバンドとの対バンを通して新しい八十八ヶ所巡礼を作り上げていっているように感じた。

 

しかし、芯は一本通っている。

 

MCでマーガレットが言う。

「好きな事をさせてくれている親の為にも親を裏切らない(売り専や業界に媚びない)音楽をコレからもやっていく」

 

と言う言葉が心に響いた。

年甲斐もなく「いいぞ!」と叫んでしまった。

 

変わらない部分も変わっていく部分も含めて八十八ヶ所巡礼なのだと改めて思わせてくれるMCだった。

 

続く後半戦は“ohenro3”、“霊界ヌ〜ボ〜”、“攻撃的国民的音楽”などと言った楽曲で客を煽りにかかる。

後半になるにつれ客席のボルテージの上がり具合も最高潮となり、それはやはり”具現化中”~”日本”の流れで一つのうねりとなった。

 

最高のバンドを観るっていうのはこういう事なんだろうなぁと思わせてくれる八十八ヶ所巡礼というバンドを何度も見たいと思わせてくれるライブでした。

 

次の名古屋公演は7/7の同じell FITSALL。必ず行こうと思います。

 

この公演にかかわらず、八十八ヶ所は比較的土曜日の公演が多いので地方にお住まいの方も、思い切って足を伸ばしてみてください。

f:id:electrical1964:20180426215640j:image

 

88kasyo.com

LIKE A 70’S ROCK…GRETA VAN FLEETにニヤケろ!

タワレコの視聴機でニヤケながら音楽を聴いているオッサンがいても、「キモッ」とは思ってはいけません。

いや、最悪思うのはいいでしょう。認めましょう。純粋にキモイです。

だけど、その姿を写メにしてSNS等に拡散し、

 

「#このおっさん超キモイwww」

 

みたいなタグ付きで紹介しようなどとは決してしてはいけない事。ホントダメ、絶対。

 

キモイのはオッサン自身分かっています。

けどしょうがないじゃないか。何の目的もなくCD屋を巡ることのでしか休日を過ごせない俺のようなオッサン、いや他多数存在し得るオッサン達を代表して宣言するけれど、前知識ゼロで初めて聴いたバンドのCDが当たりだった時の悦びはそれはそれは計り知れないもんなんだよ!頬ぐらいニヤケるわッ!

 

と自己肯定と言い訳の前置きをズラズラ書いて紹介したいUSバンド、GRETA VAN FLEET。

 


Greta Van Fleet - Highway Tune

3兄弟(内上2人は双子)+1というバンド構成のアメリカ、ミシガン州出身の平均年齢19歳。

いや、この年で~とか書くのホントオッサン臭いからかそれは割愛。

 

聴いて分かる人はスグ分かりますが、すげぇLed Zeppelinです。ホントありがとう。

Vo.Josh Kiszkaのハイトーンボイスは往年のRobert Plantのソレ。

曲自体もバシバシ影響受けてることを感じさせるリフやキメの応酬でたまらず笑いがこぼれます。

勿論Zeppelinだけではなくその他多くの今ではクラシック・ロックと呼ばれるようになってしまったバンドの特徴などを色濃く出しています。

 


Greta Van Fleet: “Flower Power” - Last Call with Carson Daly (Musical Performance)

(Vo.の立ち方、手の振り方は完全にPlantの影響受けまくっててオッサンのニヤケポイントです)

 

彼らは親の影響で60~70’S ロック・ブルース等に傾倒し、2012年にバンドを結成。

昨年アメリカでEPを発売し、数ある若手バンドの中でも注目されているバンドの一つとして数えられています。(まぁ、そうでもなければタワレコの視聴機に入らんわな)

 

2018年はアメリカ他、各主要都市をまわる世界ツアー(フェス参加を含む)が予定されており、日本にも今年のサマソニに出演予定が決まっています。

 

回顧主義的ににも感じられるかもしれないけど、こういう音が堪らない人には確実にハマる曲を作ってるバンドGRETA VAN FLEET。

最近70’Sの音楽に傾倒したバンドがちょくちょく出てきているので色々と聞いているのですがその中でもガチっとハマったバンドかなと思います。(THE STRUTSはグラム寄りだし、BLUESPILLSほどいい意味で落ち着いてないのも良い。)

 

こういうのに出会いたくてまたCD屋に通っちゃうんだろうなぁ…あーキモイキモイ…

From the Fires

From the Fires

  • Greta Van Fleet
  • ロック
  • ¥800

 

 

koochewsen、新たな"戦"場へ……配信限定シングル「ヴィーナスの恋人/深海魚のマーチ」review

クウチュウ戦がkoochewsenへと変わりったり、由美子が匠杜に変わったりとこの数ヶ月の間にkoochewsenを取り巻く環境はファン内でも大きく変わったように見える。

「個性がなくなった」
「迷走してる」

そんな言葉もネットを見れば彼方此方と顔を出す。

Twitter上でVo.リヨは""である必要は無くなったと応えていた。勝ち負けの、その先を越えた先の音楽をしたいと言う。

そんなkoochewsen第1弾となる配信限定シングル「ヴィーナスの恋人/深海魚のマーチ」を聴いてみた。
その先の音楽とはどんなものなのか?それを確かめてみたい。



Koochewsen - ヴィーナスの恋人 Lover from Venus

今作表題曲である「ヴィーナスの恋人」は、「愛のクウチュウ戦」で顕著となったAOL的部分を残しつつ浮遊感漂うドリームポップやシューゲイザー寄りの音色を取り入れた野心作だ。

プログレッシブ寄りの技巧的な音色は全くもって形を潜め、リヨが愛するデヴィット・ギルモアのような哀愁漂うギターソロは存在しない。

「コンパクト」以降、新しいプログレッシブ・ロックを探求していったkoochewsenがたどり着いた音とは従来のプログレが持つ特徴を極力排して、それ以外でプログレ部分に表現しようとしている所ではないだろうか?

極力語彙を削ぎ落し、ベントラーのキーボードを前面に押し出したサビ部分は勿論、サビ前のギターの繊細な音色はそれこそプログレの醍醐味を感じさせる。


「愛のクウチュウ戦」以降、彼らがプログレバンドとして大事に持ち続けている叙情性だと思っている。
転調・変拍子・長尺であり壮大な世界観など…これらがプログレバンドの特徴の上、必須!という概念もあるけれど、個人的に一番大切なのは叙情的であるかどうかだと思う。

その点「深海魚のマーチ」は音色自体はジャズの風味を纏っているが、「ヴィーナス~」よりも”クウチュウ戦”として以前から持ちつづけてる叙情的な部分が顕著に表れている楽曲だ。

謡曲的な節回し、泣きのギターソロ、key.ベントラーカヲルのピアノソロは彼の敬愛する三柴理を連想させる。


話は脱線するけど、新●月というプログレバンドがいる。
このバンド、技術的な面の問題で技巧派寄りの楽曲が出来ない(結成当時の話)という理由から叙情性に訴えかけるフレーズで攻めた楽曲作りをしていた、という。(その叙情的フレーズ一点攻めをしたアルバム”新●月”はジャパンプログレの名盤なので是非必聴)

koochewsenは決して技術面が稚拙なバンドではない。確かに曲調は数年前の楽曲とは大きく様変わりしたが、その年数が彼らの演奏技術を高めたし、ガワが変わっても叙情的な部分を失わない限りやはり彼らはプログレバンドなのだ。


昨今の日本のバンド事情は細分化に細分化を重ねて最早ボーダーレスならぬジャンルレスと化しつつある。
その中で一プログレバンドが変わっていくのは最早当たり前でしかなく、プログレ本来の意味が持つ革新的・前衛的を常に体現しているように感じる。

最近のライヴでは「プログレ」時代の曲も入り乱れ、全てを含めて新しい”koochewsen”を形作っている。
リヨのいう””である必要がなくなった、というのはそんな彼らの楽曲のジャンルレス化を表しているのではないだろうか?

これから更にどんなプログレ(革新)を見せてくれるのか非常に楽しみだ。

愛を語るクウチュウ戦を観たい、聴きたい、語りたい……first love tour report 17.09.16

会社の同僚仲間でBBQをするので来ませんか?と誘ってくれたのにも関わらず、

「名古屋にライヴ見に行くんで無理です」

と、せっかくの懇意を断ってコミュ障が向かったクウチュウ戦@名古屋Club Rock'n Roll。


PM18:10頃、客席がまだかまだかと気がせく中暗転。お馴染みのYES”Siberian Khatru”が流れ始める。
ユートピアのMVの恰好でメンバーが登場。”Siberian Khatru”の長いイントロが終わりに差し掛かる瞬間、
クウチュウ戦ワンマン2日目が”追跡されてる”でスタートした。


続けざまに”セクシーホモサピエンス”、”インドのタクシー”などのMVにもなっている曲で場を暖めていく。


顔に似合わないゴリゴリの音圧を響かせるステージ上手のBa.由美子。視線を下手に向ければkey.ベントラーカオルがアグレッシブに客を煽りにかかる。

後方にはMVでは落ち着いた雰囲気を醸し出すDr.アバシリのダイナミックなプレイが目に入り、中央ではVo/Gt.リヨが泣きのギターソロを掻き鳴らす……一曲一曲が堪らない。


しかしながら、その場の高揚感が最初のピークに達したのは、”佐知子”の演奏だと思う。


クウチュウ戦「佐知子」MV

正直、佐知子のMVを最初に見た時の印象はお世辞にも良いものではなかった。
小芝居が間に挟まるせいで曲が転調しているというよりはブツ切りになっていてテンポが悪いし、間延びしていてダレる。

あの映像を含めて”プログレ(前衛的)”と言われればそうかもしれないけど、個人的には受け付けないなぁ…まぁ古い曲だしライヴのでもそうそう演らないだろう…。

そんな印象を持ちながら聴いた佐知子は当初同じ曲とは思えなかった。
凄まじい音圧と音の情報量に、頭がショートしながら何の曲だっけ?新曲?と思いながら曲中盤、
Vo.リヨが「佐知子~佐知子~」と歌いだしてやっと気が付く。


えーっ!この曲こんなカッコよかったの!?!?


スタジオ盤とライヴ盤では同じ曲でも違って聞こえる、っていう事は往々にしてよくあることだけれど、その感覚を良い印象を持って生で味わうことが出来るのはファン冥利に尽きるとしか言いようがない。

プログレ”の頃から4枚のアルバムを経て培った技術力と表現力がこの佐知子を作り上げているんだなぁ…と思うとなんだか感慨深いものがあり、なんだかちょっと泣けてきてしまった。
年を重ねることに涙腺が弱くなるのは老化した証拠だなと思いながらも演奏後、今ライヴ1番の拍手と喝采が贈られたのは、そう感じた人も多かったからだと今でも勝手に思っている。


そこからは怒涛の後半戦。”アモーレ”から”愛去ってhealing”の繋ぎはナルホド!そうくるかと唸ったし、そこから間髪入れず”ぼくのことすき”に繋いでいくのは意表を突かれながらも、決して前曲、前々曲の雰囲気を壊さずに終盤へ繋ぐのは流石だなと感心してしまった。

本編ラストは”白い十代”
約束された何某…という言葉を使うのは野暮なほど素晴らしい演奏。

その後ダブル・アンコールまで熱気は冷めやまぬまま約90分の公演は終了。
約一年ぶりのクウチュウ戦だったけれど、確実に去年よりも満足感を得られたライヴでした。


今月28日には東京での最終公演も控えているので、パワーアップしたクウチュウ戦を観たいorこんな駄文でご興味を持たれれば是非ご参加ください。

客層が読めない?ので怖いな、と言うような話もチラホラ聞きますが、職場のBBQより確実にハードルは低いですよ_(:3 」∠)_



koochewsen.onamae.jp