寒さと八十八ヶ所巡礼の変化と自信に震えた大名古屋ナイト……live report 07/04/18
約一年振りの大須ell FITSALLの公演に赴いたワタクシ。
一年前行った時には大好きな四人囃子のカバーとか演っていたりして個人的にはとても感慨深いライブになっていたので、今回も同様の感動を期待しつつ中央上手寄りへ陣取り。
18:15を過ぎた頃客電が落ち、お馴染みとなったサックスが流れ出す。
ellはステージの高さ、幅と奥行きが丁度良い。
順々にステージへと登場するメンバーの顔、一人ひとりがよく見える。
中央も少し小上がりのようになっているので場所によってはライトの加減で見えずらいKENZOOOOOOの顔もしっかり見ることが出来るのも良いポイントだ。
そんなことを考えていると、最後に登場したマーガレットがベースを豪快にかき鳴らす。それに呼応したギターマシーン、Katsuya Shimizuが遮断機の警告音をつま弾きだ始める。
”幽楽町線”から大名古屋ナイトはスタートだ。
続けて”愚痴×愚痴×悪魔”、”銀河の恥”、”IMNY”などのぱっと見、曲名なのかどうかも分かりにくい彼ら独自の楽曲たちで自分たちの世界観を彩っていく。
彼らの楽曲は1stの頃から良い意味で変わらない。
変則的で、変態的で、コミカルだけれどそれを笑いだけにしない熱さがある。
しかし、ここ1~2年でステージ上のパフォーマンスは大きく変わった。
MC量がぐっと増え、メンバーの素が垣間見えるようになった気がする。
”SYG88”の各自ソロ内でのお遊び(何をやっていたかは何となく伏せます)や、最早お決まりとなった”悪闇霧島”内でのウオール・オブ・シミズ(客席を練り歩きながらの高速Gituar Solo)時にふと見たマーガレットの楽しそうにベースを弾く姿は数年前彼らを初めて観た時とは大違いだ。(ホント良い笑顔で弾いてました)
けれど、それは彼らの自信の表れではないかと思う。
勿論、昔のギラギラしたストイックなライブも彼らの今を形作る上で大切なモノだったけれど、色々なバンドとの対バンを通して新しい八十八ヶ所巡礼を作り上げていっているように感じた。
しかし、芯は一本通っている。
MCでマーガレットが言う。
「好きな事をさせてくれている親の為にも親を裏切らない(売り専や業界に媚びない)音楽をコレからもやっていく」
と言う言葉が心に響いた。
年甲斐もなく「いいぞ!」と叫んでしまった。
変わらない部分も変わっていく部分も含めて八十八ヶ所巡礼なのだと改めて思わせてくれるMCだった。
続く後半戦は“ohenro3”、“霊界ヌ〜ボ〜”、“攻撃的国民的音楽”などと言った楽曲で客を煽りにかかる。
後半になるにつれ客席のボルテージの上がり具合も最高潮となり、それはやはり”具現化中”~”日本”の流れで一つのうねりとなった。
最高のバンドを観るっていうのはこういう事なんだろうなぁと思わせてくれる八十八ヶ所巡礼というバンドを何度も見たいと思わせてくれるライブでした。
次の名古屋公演は7/7の同じell FITSALL。必ず行こうと思います。
この公演にかかわらず、八十八ヶ所は比較的土曜日の公演が多いので地方にお住まいの方も、思い切って足を伸ばしてみてください。