electricalな、あまりにelectricalな

個人的に気になったバンド、楽曲などを紹介していく予定です。

大雨にも負けない名演を目撃した……Greta Van Fleet @ TheAnthem in WashingtonD.C. 21/7/18 Report

初海外でのライブ参戦という事で色々勝手が分からず、早目に会場に到着したものの、当日現地は大雨。


こんな事もあろうかと日本から持参した折りたたみ傘がかなり役にたった。
後ろに並んでいる大柄の男2人組みは雨の中傘もささなかったせいか、非公式のバントTシャツから履いているジーンズの裾までを雨でぐっしょりとさせながらまだかまだかと大声で叫んでいる。


あぁ、外国っぽい。そう思いながらオープニング・アクトを挟み現地時間21:14、客電が落ちる。SEなど流さずバンドメンバーがステージに駆け込んでくるや否や、爆発音のような歓声が上がった。

おぉ!外国っぽい!と、この時海外にいるんだな、と再認識させられた。


Twitterにて新曲のカウントダウン用に使用された白いバラを客席に投げ込んだ後、それぞれの立ち位置についた彼らの下から、ファンには聴き慣れたイントロが聴こえてくる。何度もiTunesYouTubeのLive映像で予習していたので曲はすぐ分かった。"Highway tune"だ!それがわかると同時に他のファンの歓声のボルテージももう1段階あがったのが分かった。


Greta Van Fleet - Highway Tune - Live - House of Blues - Dallas TX - 5-2-18


正直ところ、Greta Van Fleetの公演を訪れるにあたって、個人的に不安視していた部分があった。それは今年の初春から始まった長期のツアー(アメリカ国内に止まらず世界各地を回るツアーが晩秋まで続く予定である)によってメンバーのコンディションが良く無いのではないか……というものである。

しかし、それは杞憂に終わった。

熱量が凄いのだ。コレは若さと言っても過言じゃないだろう。一曲目のイントロからVo.Josh Kiszkaのハイトーン・ボイスまでを含めて既に120%!"疲れを知らない"とはこういう事か、と思わせるライブは今まで見た事がなかった。


特にDr.Danny Wagnerの迫力あるドラミングは迫力満点!日本ではVo.Gt.Ba.三兄弟バンドという話題性から下手をすると名前すら取り上げてもらえない影の薄いイメージがある中、それを払拭させる熱の入ったプレイには目を見張る所があった。

Gt.Jake Kiszkaのギターソロ(聴き慣れたフレーズも出てきて70's Hard Rockファンには確実に刺さるハズ)が冴え渡る"Edge Of Darkness"や先日配信されたばかりの新曲"When the curtain fall"を挟み、Joshが「This song is my favorite……」と言って"Flower Power"のイントロが流れ始める。


Greta Van Fleet - Flower Power | Live From Lincoln Hall

この時のベースをキーボードに持ち替えたキスカ兄弟三男、Sam Kiszkaの色気に触れておかなければならない。
記憶によればまだ20歳にもなっていなかった筈だが、そんなことを考えさせない情感たっぷりの演奏に、客席下手からは「SAM,I LOVE YOU!!!」と多数の黄色い声が上がった。


しかし、個人的に1番の見所だったのは本編ラストで演奏された"Lover Leaver Taker Believer"だ。
未発表曲ながら昨年から演奏されている楽曲で、その演奏回数が増す毎にその曲の構成が変わっていく所がLed zeppelinの"幻惑されて"を連想させる大作である。

Greta Van Fleet - Lover Leaver Taker Believer - Live at Coachella 2018 Weekend 1
途中カバー曲などを挟みつつも、決して飽きさせる事のないプレイをステージで奏で続ける彼等は、決して若さだけを武器に、アイドル性を売り物としたバンドではなく、正統にBluesとHard Rock を体現しているバンドだと確信できた。


本編終了後、観客達がアンコールを呼びかける鳴り止まない声援と共にスマホのライトを利用して気分を盛り上げあっている。暗闇に光る無数の星の様に美しく見えた。


アンコールは人気曲の"Black smoke rising"と"Safari song"。
会場が一体となって曲をJoshと一緒に歌いあげる。それは最早、日本における「お前の声を聞きにきたんじゃない、黙れ!」と言う常識とか認識とか、そう行ったものの範疇を飛び越えたものになっていて、観客の声をも含めて楽曲が完成していた。

(ライブで歌いたい方は海外公演がオススメです。一体感と高揚感一緒に味わえますよ)

楽曲数は12曲と少なめながら、トータルで1時間半の演奏は、初の海外公演の参戦を満足させるものでした。


デビューたった1年という事が信じられない程の圧巻のライブパフォーマンスはTheAnthem(キャパシティ約6000名)をsold outさせるに十分納得のいくモノだと思います。

8月サマソニ参戦の皆様、彼らのステージは期待を裏切りません!是非参戦してあの熱量を味わって見てください!



追記(8/3):Greta Van Fleet来日公演キャンセルという事を今日知り、ショックを隠せません。
こうなれば、次はワンマンを!と祈らざるを得ないのがファン心。

頼むぞイベンター!頼むぞGRETA VAN FLEET!(結局人任せ)