愛を語るクウチュウ戦を語りたい……1st love album "愛のクウチュウ戦"review
クウチュウ戦の新譜が約1年ぶりに出た。
私の脳内ではキモカッコいい事でお馴染みのVo.リヨ氏によると、今回のアルバムは全曲いろんな意味合いでの"愛"を語ったアルバムらしい。
愛なんて恋なんてロシナンテ……という今のティーンには刺さらないであろうネタしか思い浮かばない程、愛なんぞ枯渇して何年になるか分からないアラル海野郎の私。ついていけるだろうか……などと思いつつも手に取って聴いてみました。
クウチュウ戦の紹介は以前行なっているので詳しい部分は割愛しますが、大雑把に言うと、宇宙人や惑星などをテーマに歌う70'sプログレ風味のバンド、という位置づけ。
しかし、今回はその枠組みから飛び出して、前作とはまた違った部分に寄ってきた感じ。歌謡曲テイストは残しつつも、80年代~90年代初頭のシティポップっぽい曲が増えたのかな?
シティポップが持つ 当時のオシャレ感……Wikipedia先生の言葉を拝借するなら"ローカルな要素の徹底的な切り離し、豊かさを背景にした享楽的傾向"を曲調に色濃くだしつつも、元々持っていたプログレ要素をうまーく振り塗していて気持ちが良いし、プログレが陥りやすい冗長さも感じない。
クウチュウ戦「セクシーホモサピエンス」 (Official Music Video)
また今回のアルバムは計7曲の内、2曲が既存アルバムからのセルフカバー。
ライブではお馴染みの#4「アモーレ」は既存のアルバム収録時より若干テンポが遅め。曲間の間を既存曲より大きくとっているので、人によっては間延びした印象を受けるかもしれないけれど、その"間"が歌詞の持つ、"愛する人(アモーレ)に対する口に出しきれない感情"みたいなモノを上手く表現できているように感じられgood。
#6「白い十代」は、このアルバムの中で異端のモロ70′sジャパン・プログレなんだけど、アルバム構成の山場感を感じられて3rdである"超能力セレナーデ"とはまた違うメロウな雰囲気を醸し出す事に成功しています。
クウチュウ戦/白い十代(2015年12月3日dues新宿ライブ)
個人的な印象としては前作よりもアダルトな面が増したように感じた一作。
9月からはレコ発のツアーも始まるので今後も動向をが楽しみなバンドです。